暗号資産USDT / USDC基礎解説

USDTとUSDCの違いは? ステーブルコインの仕組み・準備金・リスク

USDTとUSDCはいずれも1米ドルへの連動を目指すが、発行主体や準備資産、償還条件が異なる。Tetherの準備資産には金やBTCも含まれる。ドルへの連動が保たれても、円換算額は為替で変わる。

公開 読了目安 6分

仕組みと公式開示の比較。2026年11月1日確認。Tetherの資産構成は2026年9月30日23時59分(UTC)の残高で、現在の残高ではない。

資料確認日:

USDTとUSDCの準備資産を透明な保管庫で比べ、米国債・現金・金・BTCの違いを描いた概念イラスト
AI生成イラスト

USDTとUSDCの比較

公式資料で確認した発行・裏付けの違い
比較項目USDTUSDC
発行主体TetherCircle
連動を目指す通貨米ドル米ドル
準備資産短期国債等に加え、金・BTC・融資なども含む現金と短期米国債等の現金同等物
発行者からの開示準備資産報告と第三者の保証報告週次の準備資産開示と月次の第三者保証
発行者への直接償還本人確認・最低金額・手数料等の条件ありアカウント資格・地域・適用規約等の条件あり

Tetherの構成は9月末報告、Circleは確認時点の公式説明に基づく。取引所の売買手数料や対応チェーンを比較した表ではない。

出典:[1] Tether|トークンの発行と通貨への連動 / [2] Circle|USDCの準備資産と開示方針 / [3] BDO・Tether|2026年9月末の保証報告書・準備資産内訳 / [4] Tether|直接取得・償還の最低金額と手数料 / [5] Circle|USDC利用規約

「1ドルに連動」と「どこでも1ドルで売れる」は違う

ステーブルコインは、法定通貨などを基準に価格の安定を目指すトークンだ。USDTとUSDCはどちらも米ドルを基準とし、発行者は保有する準備資産と償還の仕組みを示している。株式のような事業成長による値上がりを目的とした商品ではない。

償還はトークンを発行者に戻し、対応する通貨を受け取る手続き。一方、取引市場での売却は他の参加者との売買で、価格はその場の需給にも左右される。1ドルから価格が離れる現象をデペッグと呼ぶ。基準通貨への連動方針があるだけで、すべての売買価格が常に固定されるわけではない。

出典:[1] Tether|トークンの発行と通貨への連動 / [2] Circle|USDCの準備資産と開示方針 / [6] Circle|USDCの価格・換金・運用上のリスク

準備金の総額だけでなく、中身も違う

CircleはUSDCの準備資産について、現金と流動性の高い現金同等物で構成すると説明している。大部分を置くCircle Reserve Fundには、現金、短期米国債、米国債を用いた翌日物レポが含まれ、残りは銀行預金で保有する。

Tetherの9月末報告では、現金・現金同等物・その他短期預金が総資産の72.9%を占めた。ほかに貴金属、BTC、担保付き融資などがある。総額だけではなく、資産を必要な時に換金できるか、どの価格で換金できるかも別の論点になる。

次の図はTetherの総資産を分母にした内訳だ。USDCとの安全性ランキングではない。保証報告も記載された時点と範囲を対象としており、その後の価格変動やあらゆる引き出し需要への対応を保証するものではない。

出典:[2] Circle|USDCの準備資産と開示方針 / [3] BDO・Tether|2026年9月末の保証報告書・準備資産内訳

Tetherの準備資産、現金同等物などが72.91%%

2026年9月30日23時59分(UTC)。各資産の米ドル残高÷総資産191,451,091,374ドル×100を小数第2位に丸めた。現金同等物等には米国短期国債・リバースレポ等を含む。その他は社債・上場株式・その他投資の合計。USDCとの同日比較や安全性の順位ではない。

出典:BDO・Tether|2026年9月末の保証報告書・準備資産内訳。市況日和作成。

チャートの数値を表示
Tetherの準備資産、現金同等物などが72.91%(%)
項目・期間総資産に占める割合
現金同等物等72.91
貴金属9.97
ビットコイン4.37
担保付き融資7.4
その他5.35

発行者への直接償還には条件がある

Tetherの公式手数料表では、直接取得・償還の最低金額は10万米ドル。償還手数料は1,000ドルまたは0.1%の高い方とされている。これはTetherへの直接償還の条件で、各取引所の最低注文額ではない。

USDCにもアカウント登録資格、本人確認、地域や適用規約に応じた条件がある。保有しているだけで、誰もが同じ手続き・費用で発行者からドルを受け取れるとは限らない。取引サービス経由で換金する場合には、そのサービス側の入出金や売買条件が加わる。

出典:[4] Tether|直接取得・償還の最低金額と手数料 / [5] Circle|USDC利用規約

円換算の変動と、送金先の違いも残る

1枚が1ドルを保ったままでも、ドル円が150円から135円になれば、円換算額は150円から135円へ10%下がる。これは説明用の為替を使った計算で、デペッグとは別の現象だ。「ドルに対して安定」と「円で元本が変わらない」は意味が違う。

同じ名称のトークンでも、利用するブロックチェーンや受取サービスが対応しているかは別の確認が必要になる。Circleの規約でも、非対応の資産・送金先や第三者のラップ版には別のリスクがあるとされている。誤った送金は取り消せない場合がある。

準備資産、償還の条件、利用するチェーン、保管先へのアクセスは別々の問題だ。USDTとUSDCのどちらかを選ぶだけで、これらすべてのリスクがなくなるわけではない。

出典:[5] Circle|USDC利用規約 / [6] Circle|USDCの価格・換金・運用上のリスク

よくある疑問

USDTとUSDCはビットコインと同じように値上がりを狙うもの?

どちらも米ドルへの連動を目指すため、ドル建ての大幅な値上がりを目的とする設計ではない。円で見た価値は為替でも変わる。

準備金があれば、価格は絶対に1ドルを割らない?

割れる可能性はある。準備資産の保有と、市場でいつでも希望額を売れることは別だ。市場の流動性や償還の状況によって取引価格が基準から離れる場合がある。

同じUSDCなら、どのチェーンに送ってもよい?

送金元と受取先の対応チェーン、トークンの種類を一致させる必要がある。名前が同じでも非対応のネットワークや第三者のラップ版は、受け取れない場合がある。

出典・参考資料

[1] Tether|トークンの発行と通貨への連動[2] Circle|USDCの準備資産と開示方針[3] BDO・Tether|2026年9月末の保証報告書・準備資産内訳発表:2026.10.30[4] Tether|直接取得・償還の最低金額と手数料[5] Circle|USDC利用規約[6] Circle|USDCの価格・換金・運用上のリスク

投資判断はご自身の責任で。記事作成にAIを活用しています。編集・広告ポリシー