NAND・DRAM・HBMの違いは? キオクシアとSKハイニックスを読む基礎
NANDはデータの保存、DRAMは処理中の一時記憶を担う。HBMはDRAMを積層した製品で、AI半導体との高速なデータ交換に使われる。同じメモリ関連株でも、キオクシアとSKハイニックスでは売上を支える製品が違う。
メモリの用途・構造の基礎解説。製品情報は2026年11月1日確認。HBMの比較は世代ごとのI/O幅で、処理速度の実測値ではない。
資料確認日:

NAND・DRAM・HBMの比較
| 種類 | 主な役割・用途 | 電源オフ時 |
|---|---|---|
| NAND型フラッシュメモリ | SSDやスマートフォンなどのデータ保存 | 記録済みデータを保持する |
| 一般的なDRAM | PC・サーバーなどの作業用メモリ | データを保持できない |
| HBM(DRAMの一種) | AIアクセラレーターなどとの大容量・高速なデータ交換 | データを保持できない |
NANDとDRAMは性質の異なるメモリ。HBMはDRAMを積み重ねた製品で、DRAMとは別系統の保存媒体ではない。
出典:[1] キオクシア|技術用語集(DRAM・フラッシュメモリ・コントローラ) / [2] キオクシア|NAND型フラッシュメモリとは / [3] SK hynix|COMPUTEX 2026技術解説(HBMの積層とI/O幅)
NANDは保存、DRAMは処理中のデータを受け持つ
写真や文書を保存したままPCの電源を切れるのは、SSDなどの保存装置が不揮発性の記憶媒体を使っているためだ。NAND型フラッシュメモリはその代表で、電源を切っても記録したデータが残る。SSDはNANDだけでなく、読み書きを管理するコントローラーなどを組み合わせた製品になる。
DRAMは、動作中のプログラムが使うデータを一時的に置く。高速な読み書きに向く一方、電源を切ると内容を保持できない。PCの「メモリを増やす」と「SSDの容量を増やす」が別の作業なのは、担う役割が違うからだ。
出典:[1] キオクシア|技術用語集(DRAM・フラッシュメモリ・コントローラ) / [2] キオクシア|NAND型フラッシュメモリとは
HBMはDRAMを積み重ね、データの通り道を広げる
HBMはHigh Bandwidth Memoryの略で、複数のDRAMチップを積層し、多数の接続でデータをやり取りする。GPUなどの演算装置が大量のデータを必要とする場面では、計算能力だけでなくメモリからデータを届ける速さも性能を左右する。
SKハイニックスの技術解説では、HBM3Eまで1,024だったI/O幅がHBM4では2,048に増えた。Samsungも同じ世代間の拡大を製品ページで示す。ただし、通り道が2倍になったことと、システム全体の処理速度が2倍になることは同じではない。転送速度、構成、消費電力、熱の制約も関わる。
出典:[3] SK hynix|COMPUTEX 2026技術解説(HBMの積層とI/O幅) / [4] Samsung Semiconductor|HBM4製品情報
SK hynixの2026年6月11日付技術解説とSamsungのHBM4製品情報に基づく世代比較。2026年11月1日確認。データを同時に転送する幅の比較で、GB単位の容量やGB/s単位の帯域幅、AIの処理速度の比較ではない。
出典:SK hynix|COMPUTEX 2026技術解説(HBMの積層とI/O幅) / Samsung Semiconductor|HBM4製品情報。市況日和作成。
チャートの数値を表示
| 項目・期間 | I/O幅 |
|---|---|
| HBM3E | 1,024 |
| HBM4 | 2,048 |
キオクシアのNAND需要と、SKハイニックスのHBM需要は別に動く
キオクシアの中心はフラッシュメモリとSSDだ。AI向けのサーバーが増える局面でも、同社への影響はデータを保存するNANDやSSDの販売を通じて表れる。HBMの受注増を、そのままキオクシアのHBM売上増と読み替えることはできない。
SKハイニックスはHBMに加え、サーバー向けDRAMやSSDも扱う。同じAI関連という言葉でも、演算装置の近くに置くメモリ、サーバー全体の作業用メモリ、データ保存用のSSDでは、製品も顧客の採用条件も違う。
出典:[3] SK hynix|COMPUTEX 2026技術解説(HBMの積層とI/O幅) / [5] キオクシアホールディングス|製品とテクノロジー
決算では数量・単価・製品構成を分ける
メモリメーカーの増収には、販売量が増えた場合と、単価が上がった場合がある。高価格の製品が売上に占める割合が増えても平均単価は変わる。HBMの成長率だけでは、NANDや一般的なDRAMを含む会社全体の利益は決まらない。
比較の順序は、何を売っているか、どの用途が伸びたか、その伸びが単価と数量のどちらによるかだ。製品構成を押さえたうえで個別の決算を読むと、「メモリ好況」という大きな言葉の中にある企業ごとの差が見えてくる。
よくある疑問
HBMはNANDの代わりになる?
用途が異なる。HBMは演算装置との高速なデータ交換に使う揮発性メモリで、電源を切った後もデータを保存するNANDの代わりにはならない。
SSDとNANDは同じもの?
NANDは記憶用の半導体、SSDはNANDやコントローラーなどを組み合わせた保存装置。部品と製品の関係になる。
HBM4のI/O幅が2倍なら、AIの処理も2倍速い?
そうは限らない。I/O幅は同時にデータを通す幅であり、実際の転送速度やGPUの性能、ソフトウェア、電力・温度の制約も処理時間に影響する。
出典・参考資料
[1] キオクシア|技術用語集(DRAM・フラッシュメモリ・コントローラ)[2] キオクシア|NAND型フラッシュメモリとは[3] SK hynix|COMPUTEX 2026技術解説(HBMの積層とI/O幅)発表:2026.06.11[4] Samsung Semiconductor|HBM4製品情報[5] キオクシアホールディングス|製品とテクノロジー投資判断はご自身の責任で。記事作成にAIを活用しています。編集・広告ポリシー

